SAP Screen Personasのインストールを終えたら、接続設定をする必要があります。
SAP Screen Personas(以降、Personas)にはbased on Silverlightとbased on HTMLの2種類があります。
しかし、SAP Screen Personas HTML updateなどにあるように、Personas 2.0のHTML版は
Silverlight版に比べて機能が不足していたりユーザ実績もないこともあり、次版の3.0を待つことが推奨されています。
そのため、ここではSilverlight版の接続設定のみ説明します。下図はPersonasのマルチプルランドスケープ例です。
1台のPersonasが導入されたメインシステムと複数のビジネスアプリケーションが稼働するPersonasの接続先の
ターゲットシステムで構成されます。今回はSAP ERP 6.0 EHP7 based on SAP NetWeaver 7.40 SR1上に
Personasもインストールしているため、メインシステム兼ターゲットシステムの最小構成としています。
ちなみに、HTML版はITS経由でアクセスするもので、PFCGで権限オブジェクト/PERS/AOBJを含むロールを割当て、
SAP GUI for HTMLのURLにsap-ie=edgeを付与するとメニューにPersonasという選択肢が増える形になるようです。
それではPersonas 2.0 SP2のSilverlight版の接続設定について紹介します。
基本的にはSAP Service Marketplaceにあるコンフィグレーションガイドに従ってください。
- Silverlightクロスドメインの設定をします
- トランザクションコードRZ10からSAPインスタンスプロファイルに以下の3つのエントリー(icm/HTTP/file_access_<nr>)を追加します
- icm/HTTP/file_access_0 =
PREFIX=/sap/public/icmandir/,DOCROOT=$(DIR_ICMAN_ROOT),ARCHIVE=(DIR_EXECUTABLE)/ITS.SAR,CACHECTRL=+28800 - icm/HTTP/file_access_1 =
PREFIX=/clientaccesspolicy.xml,DOCROOT=<絶対パス>/clientaccesspolicy.xml,CACHECTRL=0 - icm/HTTP/file_access_2 =
PREFIX=/crossdomain.xml, DOCROOT=<絶対パス>/crossdomain.xml,CACHECTRL=0
- icm/HTTP/file_access_0 =
- なお、clientaccesspolicy.xmlとcrossdomain.xmlの格納先の絶対パスは、例えば$DIR_ICMAN_ROOTの/usr/sap/SID/DVEBMGS01/data/icmandirなどにし、あらかじめXMLファイルも作成しておきます。XMLファイルの中身はコンフィグレーションガイドにサンプルが用意されています
- プロファイルパラメータを反映させるためにSAPインスタンスを再起動します
- トランザクションコードRZ10からSAPインスタンスプロファイルに以下の3つのエントリー(icm/HTTP/file_access_<nr>)を追加します
- トランザクションコードSICFで以下のサービスを有効化します
- /sap/persos_app
- /sap/bc/bsp/persos/mainapp
- /sap/bc/sap/sap/system
- /sap/bc/bsp/sap/public/bc
- /sap/public/bsp/sap/public/bc
- /sap/public/bsp/sap/system
- /sap/public/bsp/sap/htmlb
- /sap/public/bc
- /sap/public/bc/ur
- トランザクションコードSICFでサービス/sap/restguiのURLハンドラの設定をします。コンフィグレーションガイドにはwebguiをコピーして作成しろとありますが、SAP BASIS 740 SP5では初めから/sap/restguiが用意されています。ただし、ハンドラ一覧の「CL_HTTP_EXT_ITS」を「CL_HTTP_EXT_ITS_BASIC」に変更する必要があります。修正出来ない場合は、トランザクションコードSE03 移送オーガナイザツールのシステム変更オプション設定から/PERS/と/PERSOS/を「修正可能」にしておきます。修正したらサービスを有効化します
- コンフィグレーションガイドに従ってRestGUIサービスのテストを実行し、設定が正しく行われているか確認します
- トランザクションコードSU01でPersonasの管理者権限ロール「/PERSOS/ADMIN_ROLE」をユーザに割り当てます
- Personasのシステムを設定します
- まず初めにターゲットシステムへのRFC宛先を作成します。トランザクションコードSM59で以下の定義を作成します
- 接続タイプ: ABAPシステムへのHTTP接続(H)
- 対象ホスト: ターゲットシステムのFQDN e.g. server.domain.local
- サービスNo.: ターゲットシステムの統合ITSで使用するポート e.g. 8001
- ログオンとセキュリティタブのアクセス情報も
- トランザクションコードSPROでPersonasの接続先システムの定義を作成します。SPROからSAPカスタマイジングの導入ガイド(IMG)=>クロスアプリケーションコンポーネント=>SAP Screen Personas=>「更新:システム」を実行します。以下のエントリーを追加します
- システム: ターゲットシステムのSID
- Client: Personasでログインするクライアント番号
- グループ: 任意(Personasのシステム選択画面のシステム名に該当)
- テキスト: 任意(Personasのシステム選択画面のシステムの補足説明文に該当)
- SAPシステムコネクタ: ITS *この値はデフォルト、変更不可
- HTTP接続: 先ほど作成したRFC宛先名
- 保存したら行を選択した状態で左ペインのシステム設定をダブルクリックします。以下のプロパティのエントリーを追加します
- Service.Uri: /restgui
- Server.Url: http(s)://<ターゲットシステムのFQDN>
- まず初めにターゲットシステムへのRFC宛先を作成します。トランザクションコードSM59で以下の定義を作成します
- トランザクションコード/PERSOS/ADMIN_UIで作成したシステムにユーザを割り当てます。ユーザ管理からユーザを選択して「システム管理」でシステムとPersonasロールをマッピングします
- 最後にトランザクションコード/PERSOS/ADMIN_UIでこれまでの接続設定が正しく行われているか「設定チェック」を実行します。すべて緑色なら問題ありません
これでPersonasの接続設定は終了です。
必用に応じてコンフィグレーションガイドにあるホワイトリスト設定などその他の設定も行ってください。
ひとまずここまでの設定が終っていればPersonasにアクセスしてノンコーディングで画面のカスタマイズが行えます。
長くなったので、アクセス方法や簡単な使い方はまた後日...